雨と飴とアメーバ




「シホ、起きろ」


「うー、」


「俺、もう行くな」


「いってらっしゃい…」


「いってきます」



パタンとドアが静かにしまった
私も起きようと思うがまだまだ時間が余裕にあるからしばらく狸寝入りすることにした



ユウは朝練か何かでいつも朝早くに家をでる
私を静かに寝かしといてくれたら良いのに“家の仕来り”とやらをするために一旦私も起きなければならない


私は“家の仕来り”なんかどうでもいいんだけど、ユウの野郎は大事にしていて破ることなんて一切しない



ヤンキー面しているくせして真面目で誠実な好青年だ




そうであったから私はユウを避けられなくなった






だからユウも…






私から離れられない人だから








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