さよなら大好きだったよ。
「どうしよう・・・」

思わずあたしは呟いてしまう。

小さな声だったのに、夏樹は聞いてたみたい。


「何不安になってんだよ!
巧と帰れるんだぞ!」

・・・夏樹が言うと、何か――。

「気持ち悪いかも。」


ありゃ。

思ってただけの言葉が、口に出ちゃったみたい。


夏樹は
「なんだと〜!」

と怒りかけたけど、途中でふっと表情を戻すと、

「放課後に校門。遅れんなよ。」


と言って、行ってしまった。



< 8 / 51 >

この作品をシェア

pagetop