月下の幻影


 月海は塔矢をまっすぐ見つめて宣言した。


「わかりました。塔矢殿が言う事が本当かどうか自分で確かめます」


 塔矢はひるむことなく、不敵の笑みを浮かべて月海を見つめ返した。


「いいだろう。あいつがおまえの想いに応えたなら、裸で逆立ちしてやる」


 月海はガックリ肩を落とすと呟いた。


「……見たくないから、それはいいです」

< 48 / 63 >

この作品をシェア

pagetop