蒼天に明月
囚われ人と馬鹿
目を開けるとそこは真っ暗な闇だった。
私は椅子に座っていて、両手足を鎖で縛られている感覚がする。
両手は背もたれに括りつけられ、足は椅子の足に一本ずつ括りつけられ、一応手足を動かし逃げようと試みるが鎖の音が虚しく響くだけだった。
音もなにもない、闇。
さて、私はこれからどうなるのだろうか。
声を発そうと思ったが轡のようなものをされている。
あぁ、全く。
これでは助けを求めることなどできないではないか。
そんなことを思ったところで状況がいい方向へ向かうわけでもないと気づいた私は、この非現実的な世界にいるのに妙に冷静で、そんな自分が少し恐ろしく感じた。
何があってこうなったのだろうかと記憶を遡ってみると、頭痛がしたのと同時にコツコツと誰かの足音が聞こえた。
誰が来たのだろうかと息を潜め、見えない視界で目を凝らす。
不意に足音が止まり、世界に色がついた。
「おう、目は覚めたか?」
私は椅子に座っていて、両手足を鎖で縛られている感覚がする。
両手は背もたれに括りつけられ、足は椅子の足に一本ずつ括りつけられ、一応手足を動かし逃げようと試みるが鎖の音が虚しく響くだけだった。
音もなにもない、闇。
さて、私はこれからどうなるのだろうか。
声を発そうと思ったが轡のようなものをされている。
あぁ、全く。
これでは助けを求めることなどできないではないか。
そんなことを思ったところで状況がいい方向へ向かうわけでもないと気づいた私は、この非現実的な世界にいるのに妙に冷静で、そんな自分が少し恐ろしく感じた。
何があってこうなったのだろうかと記憶を遡ってみると、頭痛がしたのと同時にコツコツと誰かの足音が聞こえた。
誰が来たのだろうかと息を潜め、見えない視界で目を凝らす。
不意に足音が止まり、世界に色がついた。
「おう、目は覚めたか?」
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