その恋、取扱い注意!
高野先輩に触れられた記憶を消したい。
湊はいつも私の心をときめかせるし、好き。
湊ならさっきのあれを忘れさせてくれる。

「……いいよ。行こう」

「……やっぱりお前、今日はおかしいな。なんかあったんだろう?」

軽いノリで食いついてくるかと思ったら、今度は心配そうに聞かれる。

「なにもないよ」

「俺がいくら誘うからって、そこはOKしちゃだめだろ?」

「湊が誘うからいけないんじゃないっ!」

いきなりお説教? もう訳がわかんないっ。
オッケーしたのがバカみたいじゃない!

「湊、話があるって、なに?」

そうよ。話があるって言ったから、車に乗ったのに。

「ん? なんだっけ。今ので、忘れた」

「もうっ! 家に行ってよ」

「言われなくても着いたから」

その言葉に外を見ると、家の前だった。
エンジンを切って、車から出る私と一緒に湊も出る。

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