その恋、取扱い注意!
聞き間違い? 俺が好きなのはお前だって言った?

茫然と固まる私。
違う違う。いつものようにからかってるんだ。
私は頭をふるふると振った。

「湊、またからかっているんでしょう? 私が本気にするとでも思ってるの?」

「からかってなんていない。本当にお前が好きなんだ。いや、好きな感情よりももっと深い感情だ」

こんなに真剣な顔の湊は、今まで見たことがない。

「湊……」

どうしよう……心臓が口から出るくらいバクバクしてきた。

「俺のモーション、毎回かわされてきたけど、今日はそうはいかないからな」

「だって、本当にからかわれていたと思っていたんだもん」

なんだろう。涙が出てきた。

「っ! お前、なんで泣くんだよ」

湊は慌てた様子でポケットを探り、ハンカチを差し出してくれた。



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