その恋、取扱い注意!
私は生クリームを人差し指ですくい、湊の頬につけた。

「何の反撃だよ……」

「だって、湊からこんな甘いセリフが出るとは思わなくて恥ずかしいんだもん」

「ったく……舐めてとってくれよ」

「え……」

「早く」

湊は私に生クリームが付いた頬を差し出す。

「ほら、早く」

「本気で言ってるの?」

「もちろん」

ぐぐっと顔を唇に近づけられたから、思わず生クリームを舐めていた。

「ううっ……甘いよ……」

私がブラックコーヒーなのは、ミルク系が苦手だから。

「あ、ミミは苦手だったな。じゃあこの分の生クリームを――」

あっという間に、私の鼻先に生クリームがつけられた。
それから湊は私の鼻に唇を近づけた。

ペロッと生クリームを舐められて絶句。

「俺は生クリーム好きだな。ミミに付けたクリームはなおさら美味しい」

湊は微笑む。
その微笑みに取り返しがつかないくらい心臓が暴れ始める。

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