その恋、取扱い注意!
「コーヒーゼリー、食べよ?」

湊の分のコーヒーゼリーとスプーンを持って、差し出す。

「そんなんだから、彼氏が出来なかったんだな」

湊は笑いながら受け取る。

「か、彼氏ぐらいいましたっ!」

「でもまだ処女なんだろう?」

「ね、どうしてそれ知ってるの?」

「……そんなのお前見てたらわかるよ」

一瞬、間を置いて言うと、コーヒーゼリーをスプーンですくう。

「俺に勧めておいて、食べないの?」

「食べるよ。食べる」

自分の分を持つと、湊は生クリームの部分を取ってくれた。

「明日の夜、実家とミミの家に挨拶に行くから」

「そんな急に……?」

「ストーカーの件もあるだろう? なるべく職場にも迎えに行く」

そこまでする必要があるのかな。
もう諦めたと思いたい。


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