その恋、取扱い注意!
「でも湊は忙しいし……」

「俺が忙しいのは、主に株式市場が開いている時間帯なんだよ。だいたい夜は大丈夫」

「ん……」

「それとも俺と同棲するのが嫌なのか?」

「そ、そんなんじゃないよ。あまりにも突然だから、心が追いついてなくて……」


「無理強いはしない。だから、ミミが良いと思った時にもらう事にするよ」

「え?」

「ミミの処女」

「もうっ! 湊のすけべっ!」

「お! 言ったね? 覚悟しておけよ」

湊はいたずらっ子のような笑みを浮かべると、キスをした。

身体が蕩けていくような甘いキス。
このまますべてを湊に奪われてもいいとさえ、思ってしまう。

「もう12時か。送っていくよ」

「もうそんな時間なんだ」

「真夜中だから30分で着けると思うよ」

湊はテーブルの上に無造作に置かれていたキーケースを手にした。

「ほら」

差し出された手を握ると、手を繋いだままマンションを後にした。

< 165 / 437 >

この作品をシェア

pagetop