その恋、取扱い注意!
******
湊は街路樹の植え込みの近くで待っていた。
「み……」
湊は電話中らしくスマホを耳に当てていた。
その姿は一枚の写真のようで、行き交う人が見ていく。
湊はスーツ姿だった。
しかもシックで細身の3ピース。
初めて目にする装いだ。
これも両親に挨拶するからに違いない。
そこに湊の強い思いを感じる。
スマホで話ながら、視線が少し離れた私の方へ動く。
視線が合い、湊は軽く手を上げた。
私も手を上げて駆け寄った。
「ごめんね。いつも待たせてばかりで」
「いや、それほど待ってないよ」
湊はスマホをポケットにしまう。
「それより、見惚れてただろう?」
「えっ?」
「今にもよだれを垂らしそうな勢いで見てたぞ」
「だ、誰がそんなっ! 七五三みたいだな~って見てただけっ」
「こいつ、25の男に向かって言うか? 俺の魅力がまだ分からないんだな」
「今日って、そんなにびしっと決めなきゃだめなもの?」
「けじめってやつだよ。よく知っている分、ちゃんと認められてもらいたいからな」
そんなものなのかな。
湊は街路樹の植え込みの近くで待っていた。
「み……」
湊は電話中らしくスマホを耳に当てていた。
その姿は一枚の写真のようで、行き交う人が見ていく。
湊はスーツ姿だった。
しかもシックで細身の3ピース。
初めて目にする装いだ。
これも両親に挨拶するからに違いない。
そこに湊の強い思いを感じる。
スマホで話ながら、視線が少し離れた私の方へ動く。
視線が合い、湊は軽く手を上げた。
私も手を上げて駆け寄った。
「ごめんね。いつも待たせてばかりで」
「いや、それほど待ってないよ」
湊はスマホをポケットにしまう。
「それより、見惚れてただろう?」
「えっ?」
「今にもよだれを垂らしそうな勢いで見てたぞ」
「だ、誰がそんなっ! 七五三みたいだな~って見てただけっ」
「こいつ、25の男に向かって言うか? 俺の魅力がまだ分からないんだな」
「今日って、そんなにびしっと決めなきゃだめなもの?」
「けじめってやつだよ。よく知っている分、ちゃんと認められてもらいたいからな」
そんなものなのかな。