その恋、取扱い注意!
「可愛かったよ。ミミの知らなかった一面が見られたな」

「私だって!」

湊の知らなかった一面を……。

そう思うと、少し気分が滅入る。
妙に慣れたエッチに、過去の彼女の影を見てしまう。

「私だって、なに?」

「ううん。なんでもない」

湊の過去を気にしたら、キリがなさそうだ。

「泊まってく?」

「……ううん。帰る。まだ電車あるし」

掛け布団で胸を隠しながら起き上がる。

「ひとりで帰すわけないだろう? ちゃんと送ってく」

湊が少し怒ったように言う。

「でも疲れているでしょう?」

「ミミを送ったら実家に泊まるよ。明日、早く戻ってくればいいことだし。隣同士っていうのも便利だよな」

ちゅっと音をたてて唇にキスされる。
そのキスだけで、胸の頂がじんとなるのがわかった。

服を着てリビングに行くと、湊も部屋着からカッターシャツとジーンズに着替えて戻ってきた。


< 203 / 437 >

この作品をシェア

pagetop