その恋、取扱い注意!
「行こうか」

湊はローテーブルの上に置かれた車のキーを、無造作に手にした。

「あ、うん」

けだるい身体で湊に近づくと、袖を捲りあげた腕にそっと抱き寄せられる。
唇にちゅっとキスされた後、湊の胸に顔を埋めた。

こんなにお砂糖の、ううん、はちみつの何十倍も甘い触れ合い。
恥ずかしくて顔がまともに見られない。

「照れてるのか?」

「なんだか恥ずかしくて……今までただのお隣さんだったわけで……」

「ま、そうだよな。大丈夫。これから慣らしてやるから」

妖艶でキレイな笑みを浮かべる湊。

「慣らしてやるからって……」

会うたびにこんなことや、あんなことも……?

想像してしまい更に恥ずかしくて眉根を寄せ俯く。

「そうしていると、ほんとネコみたいだな」

湊の手が、私の頭をくしゃくしゃっと撫でる。


< 204 / 437 >

この作品をシェア

pagetop