その恋、取扱い注意!
真夜中の道路は空いていて、いつもよりスピードが出ているっぽい。
湊の言うとおり、風で髪がふわふわと舞い顔にあたる。
それをおさえようと、左手を髪に伸ばす。

あ……。

きらきら輝くエンゲージリングが目に入った。
薄暗い中でも美しい光を放つ指輪。

無理をして、買ったのでなければいいんだけど……。

指輪からそっと湊を見ると、ステレオから流れる曲を口ずさんでいる。

そうだ。聞きたいことがあったんだ。

「湊」

パワーウインドの開閉スイッチを押してから、今度はしっかり湊を見る。

「ん?」

「私たちの結婚式って、いつを考えてる?」

「いつでも。可愛いミミちゃんを、いつもそばに置いておきたいし」

「湊、真面目に聞いてるの」

湊の言葉を真に受けたらバカップル丸出しだよ。


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