その恋、取扱い注意!
「通常費用は、折半または出席者の人数の割合で出すらしい。それにそれくらいの金なら、ミミが出さなくても大丈夫」

「え?」

「俺のマンションもあるし、家具も一応そろっているから、そんなに金かけなくても住めるだろ。ミミの金は期待してないから」

「そういうわけにはいかないよ」

それくらいの金って、湊はどれだけ高給取りなの?

「そんなにかけなくても結婚式は挙げられるしな。あ、そうだ。海外で挙式っていうのもいいな」

「海外で挙式!」

思わず瞳を輝かせてしまう。
けれど、それにも結構な額のお金は必要になる。

「それもいいけど……やっぱり数年はダメだよ」

「だから、金のことは気にするなって、言ってるだろう?」

「気になるよ」

「いつもながらに強情だな」

イヤミったらしく大きなため息を、湊はついた。

「湊だって強情でしょう。お金がないのに、無理して結婚したくないもん」

売り言葉に買い言葉だったかもしれない。
結婚したくないわけじゃないのに、言ってしまっていた。


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