その恋、取扱い注意!
「美里ねえさんっ、こんな子が可愛いわけないでしょ。まだまだ色気もあったもんじゃないわ。私より可愛い子はいないの」

お約束の明菜さんの毒舌だから、気にならない。
むしろ、今日はちょっと変な美里ママに絡んでくれてよかったと思う。

「明菜、あんたは綺麗なの。可愛いとは違うわ」

美里ママは真剣な顔で、明菜さんに言っている。
2人が話すと、私と久我さんの存在がなくなる。

「美里ママが本気でそう思ってくれているなんて、嬉しいっ!」

いつもはけなされているのか、明菜さんは感動したように瞳を潤ませている。

「ま、紅緒ちゃんには勝てないんだけどね」

さらっと美里ママに爆弾を落とされた明菜さんは、いっぺんして頬を膨らませた。

「まだまだ美容整形が必要よ。明菜ちゃん」

「もうっ! 美里ママに言われたくないわーっ」

ふたりは漫才師のようで、私と久我さんはお腹を抱えるほど笑った。


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