その恋、取扱い注意!
「え……うつくしいの美に……うみです」

「素敵な名前じゃないっ。でもみうみちゃんって呼びづらいのよね。そうだわ! うを取って、ミミちゃんはどうかしらぁ。可愛い名前だし、あなたにピッタリよ!」

「そ、そんな! 呼びづらいなら安西で……」

「いやよ~ せっかく可愛い名前なんだからぁ~」

美里ママに抵抗できるはずもなく……ここだけなら、いいか……。

久我さんと菊池さんのふたりを見ると、明菜さんと紅緒さんと話をしていて気づいていない。
職場で言われたら嫌だから、ホッと肩を撫で下ろした。

そう思ったのもつかの間、美里ママはやたら「ミミちゃん、ミミちゃん」と名前を連呼するものだから久我さんと菊池さんも「ミミちゃん」って呼ぶようになってしまった。

はぁ……。

ため息を吐いた時、ふと視線を感じて見ると、紅緒さんがなにやら口元を歪ませ堪えている。

なんで……? もしかして猫みたいなんて思っていたりする?

それから少しして、紅緒さんは彼女目当てに来たお客様のテーブルに行ってしまった。

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