その恋、取扱い注意!
「美里ママっ!?」

「そうよー。すぐにわかってくれなきゃね」

「で、でも男の人みたいで――」

「そりゃそうよー。私、これでも子づくりする力はあるのよー」

ってことは、完璧なニューハーフじゃないんだ。

「どう? ミミちゃん、私の子を産んでみない?」

「じょ、冗談はやめてください……」

「ふふっ、そうよねー ミミちゃんにはイケメンの彼氏がいるんですものね」

「ところで、美里ママもアロマオイルを買いに来たんですか?」

「そうなの。ミミちゃんたちから頂いたアロマオイルの香りが、気に入っちゃって。あ、これよこれ」

私が買おうと思っていたイランイランの瓶に、美里ママは手を伸ばす。

「私も、これを買いに来たんです」

「これだけに? それならこの後、用がなければお店へいらっしゃいよ。特製ナポリタンはどうかしら?」

ナポリタンと聞いて、思わずお腹がなりそうだ。

美里ママのナポリタンの誘惑に逆らえず、「行きます!」と言っていた。

「うふふ。久しぶりの同伴だわ~」

美里ママはイランイランの瓶を2本手にすると、私の腕を引っ張った。

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