その恋、取扱い注意!
「あ! 私も」

自分の分を買わなきゃと、陳列棚に戻ろうとすると、止められる。

「私が持っているわ」

レジで2つ会計をした美里ママは、ペパーミントグリーンの包装紙で包まれた1つを、私の胸に押し付けられた。

「自分で――」

「いいのよ。いつも来てくれるお礼よ」

「ありがとうございます」

「さあさ、行きましょ。じゃあね。はるちゃん」

レジの女の子と知り合いだったようで、手を軽く振った美里ママは私の腕を取り、店を出た。

「あの子、可愛いでしょ? 時々、お店に来てくれるの」

どおりで、レジの女の子は女言葉を使う男性に、驚かなかったわけだ。


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