その恋、取扱い注意!
数日後、帰宅して食事とお風呂を済ませて、そろそろ湊に電話をしようと思った時、着信音が流れた。

「すごいタイミング」

画面に湊の文字を見るだけで心が躍る。

くすっと笑って、スマホの画面をタッチする。

「湊」

『ミミ。突然で悪いけど、明日から出張になったんだ』

「出張って本社?」

『そう。ロンドンにも寄る予定で、まだ帰国日は決まっていないんだ』

「そっか……」

湊が出張と聞いて、先ほどの高鳴った胸が一気に変わり、気持ちが沈んでいく。
沈んだ声を出してしまった。

『さびしいのか?』

「っ! あ、あたりまえだよ。いろいろ相談したいこともあったし」

『俺もさびしいよ。相談って?』

「結婚式のことなんだけどね」

『帰ってから、ちゃんと聞くよ。じゃあな』

「うん。おやすみ」

『おやすみ』

通話が切れると、ガクッと肩が落ちる。

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