その恋、取扱い注意!
残念ながら彼女のお店のブランドは、童顔の私には似合わない。
今日着ているのは、パステルグリーンのワンピース。
自分たちの正反対の服装に笑ってしまう。

「相変わらず可愛いね~」

私を見た一花は、開口一番そう言った。

「一花はかっこいいよ。また痩せた?」

シャープなあごのラインを見ながら席に着く。

「そう? 忙しすぎてやつれているのかも」

一花は笑って瞬きをする。
びっしりと長いつけまつげがバサバサと音をたてそうだ。
でも似合うから羨ましい。

以前、つけまつげをして湊に会ったら、気持ち悪いと言われたのを思い出す。

アジフライと竜田揚げの日替わりランチと、ドリンクバーをオーダーして、女2人の賑やかな話が始まった。

「ミミ、彼氏出来た?」

彼女も私のことを「ミミ」と呼ぶひとり。

「まあ……」

「なあに? その含んだ言い方は。もしかして本田先輩?」

「えっ?」

一花の勘の良さに、持っていたグラスがストンとテーブルに落ちた。
高い場所から落ちたのでなくてよかった。

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