その恋、取扱い注意!
「だから私は内心2人がくっつけばいいのにと、思っていたの」

「一花……」

「でも付き合っているんなら良かったわ」

「一花はどうなの? 彼氏は?」

一花は指輪が3つも付いている手を、ひらひらと振る。

「一応結婚しようって言ってくれている奴がいるんだけどね?」

「すごい! 一花、結婚するのっ?」

「それがさぁ……苗字がね?」

「うん」

「奴の名前が二宮(にのみや)なのよ。奴と結婚したらまた数字から離れられなくなるでしょ? しかも二と一なんて続いてるし」

一花は眉根を下げて、はぁ~と深いため息を吐く。

「二宮一花かぁ……たしかに三橋一花より、数字が続いてるね……」

昔からの悩みを知っているから彼女のため息はわかる。

「でもその人を好きなんでしょう? 好きなら結婚するべきだよ」

「まあね。同い年で良い奴だし。輸入雑貨の店を出したいって野心家でもあるし。まあまあのイケメン。ナオト以上の人なんてこれから先出てこなさそうだから、結婚も視野に入れているけれどさ。私、名前に呪われているよね」

そう言って一花は自嘲気味に笑った。

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