その恋、取扱い注意!
前方左に駐車場が見えてきた。
湊は車をその方向へ進め、空いているスペースに停めた。

「歩いてみるんだろ?」

「もちろん」

湊がエンジンを切るのを待って外に出ると潮の香りに包まれた。
天気も良くて梅雨のこの時期だけど、今日は恵まれた晴天だ。

気持ちがいい天気。

「そのパンプスで上まで歩ける?」

湊が私の足元を見て聞いてくる。

「大丈夫。ここまで来たなら行かなきゃ」

そうはりきったのだけど……上に着く頃には足がパンパンで痛くなってきていた。
それに、しだいにカップル率が多くなって、周りを見ると数組のカップルだけになっていた。

私たちもそう思われているのかもしれないけど。

カップルたちは海を眺望できる場所にある鐘を鳴らそうと待っている。
ラブラブカップルが次々に鳴らしていくのを見ていると、湊が顔を覗き込むようにして見る。


< 31 / 437 >

この作品をシェア

pagetop