その恋、取扱い注意!
「もちろん、がんばるけどっ……そんな風に割り切れないのっ!」

3日前の松下さんの暴露話で、一部の女性社員から非難の目で見られているストレスと、課長から見覚えのない事で叱られたことで、心の中が苦しかった。

いろいろな思いで、涙があふれ頬を伝う。

「ミミ……」

「男の湊にはわからないよ!」

アドバイスをしてくれる湊にひどい八つ当たりをしているのはわかっていた。けれど、心の中のふつふつとわき出てくる嫌な思いで、苛立ちが増してくる。

「お前……」

ベッドから立ち上がって、ドアを開ける。

「ひとりで考えたいのっ! 出て行ってっ!」

この時、湊は話があると言ったことを、頭の中から抜け落ちていた。

「お願いっ! ひとりにして」

ドアノブを持つ手が震える。

湊はベッドからゆっくり立ち上がり、能面を張り付かせたような顔で私を見る。

「俺のアドバイスはただ一つだ。客のために全力をつくせよ」

湊はそれを言うと、私の横をすり抜けるように出て行った。

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