その恋、取扱い注意!
「昔は何度も衝突していたものね。でも翌日には普通に戻っているから、安心していたわ。大丈夫よ。今回もすぐに仲直りね」

「あ、ありがとうございます。帰りますね」

頭を下げて、本田家の玄関を後にした。

湊の用が気になってメールを送ると、30分後に『仕事が解決してからでいい』と送られてきた。

それほど急ぎの用ではなかったんだね……でも、それならどうして今日来たんだろう……。

解せない部分もあったけれど、湊の言葉に甘えて今は仕事のことを考えよう。

******

昨日、課長は田代部長に頼んだから、なにもするなと言われた。

でも、一晩よく考えて、湊の言うとおり私に出来る限りのことをやろうと思った。

先方には手違いで、席がない旨を伝えたそうで、私がまず一番にしなくてはならないのは、迷惑をかけてしまった顧客に頭を下げに行くことだった。

顧客は仕事がらみの渡航だけれど、こちらがお盆ということで、奥様も連れて観光をする予定だった。


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