その恋、取扱い注意!
「湊、今度彼女と一緒に来て鳴らせばいいんだよ。私と鳴らした事なんて帳消しになるから」

私の口から適当な言葉が出る。

湊はいつものように私をからかっているんだ。

「ミミ」

ずいと近づいた湊は私の両肩に両手を置いた。
いつになく湊の真剣なまなざしが怖い。

「み、湊? なんかおかしいよ?」

ピンと張りつめた空気を和らげるように私は笑った。

じっと見つめる湊は一瞬目を閉じてから、大きくため息を吐いた。
そして私の肩に置かれていた両手が離れる。

「まったく……こういう雰囲気になっても、そうやっているから彼氏が出来ないんだよ」

湊は私のおでこを軽く指で弾くと歩き始めた。

「いたっ! もうっ! なんなのよう!」

先を歩き始めた湊の後を追いかけた。

< 33 / 437 >

この作品をシェア

pagetop