その恋、取扱い注意!
『お前んちの前だよ』

「あ……」

『話がしたい。こっちに来るか? それとも――』

「駅前のコーヒーショップで待ってるから」

『わかった。30分で行く』

「……うん。待ってる」

改札口を出てすぐのコーヒーショップに入り、冷たいブラックコーヒーを頼むとロータリーが見渡せる窓際の席に座った。

素直な気持ちで、話そう。

待つこと30分、本当に湊のBMWがロータリーに入ってくるのが見えた。

飲み干したカップの氷を捨て、カップを処理して店を出た。
気が急いて、自動ドアが開くのがもどかしい。

コーヒーショップを出ると、湊はちょうど車から降りたところだった。

「湊っ!」

私の明るい表情に、湊はかすかに眉根を寄せて見る。

「ミミ……」

「無理しなかった? 本当に30分で来ちゃったね」

「ん? ああ。今日は道が空いていたんだ。夕食は食べたのか?」

「あ……ううん。まだ。でもね? 夕食より湊とちゃんと話がしたいの」

「腹を空かせたままだと、怖いな。ちょっと、乗って待ってて」

湊は軽く駆け出した。

お腹を空かせたままだと、怖いって……。

軽口をたたく、昨日とは違う湊に少し安堵する。

湊の姿を目で追うと、コーヒーショップの隣のハンバーガー店に入っていった。

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