その恋、取扱い注意!
「2年間、ずっと会えないわけじゃない。日本に出張もあるだろうし、長期休暇の時には戻ってこられる」

私を安心させようとする湊の眼差し。

「信じて待っていてくれないか?」
「……」

「ミミ?」

「……それは……湊の本心なの?」

胸が痛い……。

湊は私の問いに答えず、目の前の袋に手を伸ばす。
中から、コーラとジンジャーエールを出してストローをさした。

「ねえ、湊っ。私はそんなに長く離れていられないからっ。ロンドンでもアフリカでも、アマゾンでも、どこでも付いていくから!」

コーラのカップを持ち、一口飲もうとする湊の動きが止まった。

「私は湊が一緒じゃないと毎日が苦痛になるの。湊が大好きだからっ、愛しているから、一緒にいたいの。湊には誰も勝てないの。親でさえもね」

「ミミ……」

「一緒に行こうって、言ってよ……」

「ミミ……」

湊のコーラのカップを持つ手が離れ、私の背中に手が回される。
力強く抱きしめられ、湊の吐息がこめかみをくすぐる。


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