その恋、取扱い注意!
「ミミ……お前の気持ちを聞くのが怖かったんだ。良くわかったよ……一緒に行こう。これからはお前を不安にさせないと誓うよ」

ゆっくりと額にキスを受け、それから唇が重ねられた。
上唇と下唇を啄む湊の唇。慈しむようなキスに身体がふわふわ飛んでしまいそう。

ソファに沈む身体。

湊の顔が私の肩口で止まる。

「美人堂へ行ったのか?」

「う、うん……」

「敬一の香水の匂いがする。お前、敬一に抱きしめられたんじゃないか?」

「え……」

「くそ、マーキングした犬みたいに俺の女に匂いをつけやがって」

「湊、そんなんじゃないよ。慰めてくれただけ。それと勇気を」

慌てて弁解する私は大きく首を横に振る。
湊はメガネの奥の切れ長の目で睨むと、激しく唇を重ねた。

「んっ……ふぅ……」

「やっぱり置いていけないな。俺がいないうちに男が寄ってきそう」

「そんなことないよ」

「いや、お前がわからないだけだよ」

「湊だって、ひとりにさせられないんだからっ。いろいろ誘われちゃいそうだし」

「誘われるって、誰に誘われるんだ?」

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