その恋、取扱い注意!
訳知り顔で口元に笑みを浮かべ、顔を近づけてくる。

「え……、っと……」

自分で振っておいて、言葉にするのが恥ずかしくなる。

「い、いろいろよ。会社の人とか……」

「ふ~ん。俺が浮気するとでも思っているんだ」

「そんなんじゃ……ないけど……向こうの人は恋人がいても……」

「俺はミミしかいらないんだけど?」

唇に甘いキスを落としてから、指が耳殻をなぞる。
それだけなのに、身体が疼く。

「湊……」

私をお姫様抱っこした湊は寝室へ向かった。

せっかく買ったハンバーガーも、この時忘れられ、ふたりが身も心も固く結ばれた後に温められた。


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