その恋、取扱い注意!
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「湊、マンションは誰にも貸したりしないの?」

仕事帰り、待ち合わせてあのハンバーグが絶品だったお店に来ていた。前回と同じように湊は草履サイズのハンバーグを食べている。

「ああ。貸すとなると全部を貸倉庫か、実家に送らなくちゃならないからな。時間もないしめんどくさい」

「そうだね。たしかに時間がないものね」

「ミミは明日が仕事最後だったよな?」

「うん。送別会をしてくれるの」

「ミミの泣き顔が見られそうだな。迎えに行こうか?」

楽しそうな笑みを浮かべている。

「えっ? ううん。来ないでいいからね。あ!」

ある人を思い出した。

「どうした?」

「美人堂へ行かなきゃ」

美里ママに励まされた日から、行っていない。

「敬一か?」

「もうっ、美里ママって言ってよ。その名前を聞くたびに、男性の姿が浮かんできちゃう。あれから行っていないから、心配していると思うの」

「あ、次の日だったかな、お前を泣かせるなって、電話がかかってきたから大丈夫」

私を泣かせるなって、美里ママらしい……。

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