その恋、取扱い注意!
ベッドの端に腰を掛け、膝の上に紙袋を置いておそるおそる開けてみる。
小さな箱が綺麗に包装されている。それを手に取り、じっと見る。

じっと見つめても、中身がわかるわけじゃないんだけれど、どうしてこれがお土産なのか……?

中に入っていたのはリーフの形をしたピアスだった。

ダイヤモンドだよね……? ジルコニア……? 
そんなわけないか。この宝石店は世界各国、銀座にも店舗があって、予約をして行くのが当たり前らしい。
私には無縁の世界。

台座の上のキラキラ無数の光を放つピアス。

わからない! なんで、こんなものがお土産なのっ!

バッグからスマホを取り出して湊の番号を出す。

そうだ……まだ運転中だよね。

恐れ多くてピアスに触れずに蓋を閉めると、紙袋にしまいドレッサーの上に置いて部屋を出た。

お風呂に入っている間も、ずっと湊の最近の行動や言動を考えてしまっていた。

なにかあったのかな……急にデートしようって言ったり、ホテルにも行こうって誘ったり……冗談だったけど。
お土産だってあり得ない物だし……。



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