その恋、取扱い注意!
「無断外泊の理由、考えろよな」

ミミはソファの上にバッグを見つけて、スマホを取り出す。

昨晩のうちにミミの母親に酔いつぶれて泊まらせると、連絡を入れてあるから、おそらく叱られないと思うが……。

着歴がないようで、ミミの顔がホッと安堵の表情になったのを見逃さない。可愛いミミを弄りたくなる。

「じゃあね。泊めてくれてありがと」

廊下に足を進めながら、お礼を言ったミミはふと立ち止まった。

「どうして私はここにいるの?」

またかよ……。

「それは次回会った時にな」

「次回って、いつ?」

「さあ? 近いうちにな」

「湊っ!」

「そう目くじら立てんなって。ほら、行けよ。送ってやれずに悪いな」

背中をトンと軽く押した。

「明日ね。明日、会おうね」

是が非でも聞きたいらしい。

「明日は無理」

即座に断る俺に、ミミはムッとした顔になった。

「じゃあいつなら良いの?」

「こっちから連絡するよ」

鼻先をピンと指で弾く。
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