その恋、取扱い注意!
「じゃ・あ・ね! お邪魔しましたっ!」

頬を膨らませるミミが可愛い。
ドアがバタンと閉まると、笑いが込み上げた。

今日の俺は午前休暇を取っている。あいつと対決するために。

高野の真新しい動物病院は、実家の隣駅にあった。

俺を見て高野はサーッと顔色を青くさせた。

探偵の報告書にある通り、この病院は婚約者の父親の資金で建てたものだ。
ストーカー行為をバラしたら、この結婚も終わりだろう。
彼女の父親は厳格な男のようだしな。



「もう……彼女に会わない……」

話した末、高野はそう言った。

「本当だろうな?」

信用できないが、弱々しい高野を見ていると、もうやらないだろうと思った。

「万が一、ミミに近づけばお前の人生は終わるからな」

「ああ。バカなことをしたと反省している」

高野は跪きうなだれて、反省の意を俺に見せた。



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