その恋、取扱い注意!
俺は「アイツと来たことない。付き合っている時、ここは出来ていなかったしな」と、言い訳していた。

さつきからミミは俺のことでなにか言われていたのだろう。その後もさつきのことを話したそうだったが、あいつのことなんかでこの日を台無しにしたくない。

俺は心を決めてミミに告白した。
「好きだ」と。

「俺が好きなのは、お前だよ」

ミミは俺がまたからかっていると、思っているようだ。

俺の気持ちを正直に告白すると、ミミはどうしたわけか泣き始めた。
告白され拒絶の涙ではないようだが、泣かれて心底まいった。

恋愛経験が乏しいミミの頭はどうやらパニック状態。
俺はひとまず話を切り上げ、食べるように勧めた。

一度告白すると、いろいろな感情が堰を切ったように溢れ出てきた。

俺、今まで我慢していたんだな……ミミを愛したくて仕方ない。
視線が華奢な鎖骨、スクエアカットの胸元に行き、欲情しそうだ。

今日……っていうのは、まずいよな……。
今まで待ったんだ。もう少し待ってもミミは逃げて行かない。
早く帰らせよう。
それが一番いい方法。

俺は強引にレストランを出た。

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