その恋、取扱い注意！
ミミが紅緒を気になっていたのは、潜在意識の中で俺を重ねていたのだと思う。俺がどんな姿になろうが、ミミは俺を好きでいてくれる。そんな自信もついた日だった。

タバスコのいたずらには、まいったけどな。

こんなに毎日が楽しいと感じることはなかったと思う。
そんな俺に２年間のロンドン転勤の話が持ち上がった。ロンドンへ行けばキャリアを積める。独立も考えたが、今の経済事情ではリスクが大き過ぎる。失敗して一晩で通帳の残金が０円になるかもしれない。

ミミに幸せな暮らしをさせるには、やはり転勤を断るわけにはいかない。悩んだ末、一緒に行こうと言おう……そう心に決めていた矢先、ミミの仕事のトラブルが発生した。それが発端で、ミミは仕事にやりがいを見出した。

そうだよな。まだ社会人になって２年目。仕事もしかり、遊びだってまだまだやりきれていない。ロンドンになんて連れて行ったら、ミミは退屈することになるんじゃないのか。

２年後でも、結婚は遅くない。単身、ロンドンへ行こう。そう決めた。

だが、俺はミミの気持ちをわかっていなかった。どれだけ俺を深く愛してくれているかを……。

ミミは俺とならどこへでも付いていくと言ってくれたのだ。

出発まで時間がなかった。

取り急ぎ、籍だけを入れて、ミミは俺の妻「本田　美海」になった。

我慢させることが多いこれから、俺はミミにサプライズプレゼントをしたかった。
それが、モルディブ旅行だった。ロンドンへ行く前のちょっとしたバカンス。
ミミが南の島へ行ってみたいと、敬一から情報も得ていた。たまには役にたつ男だ。いや、ニューハーフもどきだ。

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