その恋、取扱い注意!
湊、もう着いたよね。

ベッドの端に腰を掛けると、ドレッサーに置いた紙袋に目が行く。
スマホを手にすると、湊に電話をかけた。
3回目のコールで、湊は出た。

「湊、あのお土産はいったいなんなのっ!?」

『ミミ、いきなりなんだよ』

眠そうな湊の声。

「だって! あれ、本物でしょう? あんなのお土産じゃないよ!」

『上司に付いて行ったら、うまいこと買わされたんだよ』

「うまいこと買わされたって……そんなレベルじゃないでしょ? あれは私がもらっちゃいけないものだよ」

『あげる彼女がいないんだから、ミミにあげたっていいだろ』

「そういう問題じゃ――」

『ミミ、眠いんだよ。いらないんだったら、これから返しに来ればいい』

「え……」

『今日中に来ないと返品受け付けないから』

「今日は無理っ!」

『じゃあ、貰うしかないな』

プツッと通話が切れた。

「湊っ!?」

もうっ! なんなのよう……今日中じゃないと受け取って貰えないって……。

深いため息が漏れる。
時計を見ると23時を過ぎている。

これから行ったって24時を回っちゃう。
行けないとわかって言っているんだ。
明日、会社が終わったら、絶対に返そう。


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