その恋、取扱い注意!
「あ、これ大したお土産じゃないんですけど……」

どんな洋酒なら喜んでくれるかと、考えながら選んだスコッチだ。

「うれしいわ~ ありがとう」

選んだ銘柄に瞳を輝かせてくれて、良かったと微笑む。

「向こうの生活はどう? 楽しくやってる?」

「はい。語学学校に通っているんです」

「いいことだわ~ アクティブにいかなきゃだめよね~ せっかくの海外生活なんだから。元気そうで良かったわ~」

話しながらウイスキーのソーダ割りを作った美里ママは、グラスを手渡してくれる。

「湊は?」

「会社の同僚と飲みに行ってるんです」

「そうなのぉ。それじゃ、心穏やかじゃないわね」

「え?」

「ううん。こっちのこと」

美里ママは含み笑いをしながら、飲むように勧める。
一口飲むと、アルコールと炭酸で、ピリッと喉が焼けるような感覚が通り抜けていく。
思わず胃に手を当てると――

「もしかして、お腹空いてたりするのかしら?」

「はい。美里ママのナポリタンが食べたくて」

「いーわよ~。ミミちゃんのためなら作ってあげる。キララちゃんと話していてね」

美里ママはすくっと立ち上がると、胸の位置をさっと直しながらカウンターの中へ入っていった。

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