その恋、取扱い注意!
少し経つと、美里ママとキララちゃんのふたりの接客が、いつの間にか増えて5人もいる。
目に見えて分かるのは、湊の隣の争奪戦。
お客様に呼ばれる度に、空く湊の隣の席に素早く移動しようとするニューハーフさんたち。
反対側は私が座っているから、1席の湊の隣を狙って静かな戦いが……。

もしかして……湊って、ここの人たちに狙われていたんじゃ……。
それって、湊が私を心配するより、私が湊を心配しなくちゃいけないんじゃない?

「ふふふっ。湊がニューハーフじゃないって知った途端に、すごいことになったわね~」

湊の隣を取った明菜さんが喜んでいるのを見て、唖然となった私に美里ママが言う。

「湊はカッコいいですもんね」

「あらっ、ミミちゃん、結婚したら言うようになったわね~ 夫自慢なら仕方なく聞いてあげるわよ?」

無意識に出た言葉に、美里ママが笑っている。

「もう~ 湊の自慢ならずっと話していられますけど、遠慮しておきます」

「またあてられちゃったわ~」

1時間ほど経つと、湊が腰を上げた。
いい加減、耐え切れなくなったみたいに、苦虫をかみつぶしたような顔になっている。


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