その恋、取扱い注意!
「美里、チェックしてくれ」

「あら~ 今日はいいわよ~」

「え、そんな」

私はそれでは申し訳ないと首を横に振ると、美里ママはまた来てねと言って送り出してくれた。


『美人堂』を出ると、駅に向かって歩く。
道に所々いるホストの呼び込みをけん制しているのか、いつもは手を繋ぐ程度だけど、今は私の腰に手を置いて歩いている。

「明菜さんたちの相手、大変だった?」

「まあな」

「久しぶりに会えて嬉しかったんだよ」

「そうか? それよりミミは敬一と仲がいいんだな」

美里から敬一に呼び方が変わってる。

「美里ママって、なんだか安心できるの」

そういった矢先、湊は道の真ん中で立ち止まった。

「俺じゃ、安心できない?」

「え? 湊、なに言ってるの? 嫉妬してるみたい」

湊の真剣なまなざしが、いつものようにふざけているのではなく、本音を言っているんだと分かった。

「そうだよ。嫉妬してる。日本に来てからお前の様子がおかしいから」

「変な湊。私の様子がおかしいって、そんなことないよ。私が愛しているのは湊だよ?」

じっと見つめあう私たちを通行人が好奇の目で見て行く。


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