その恋、取扱い注意!
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「「いらっしゃいませぇ~~」」

美人堂のドアを開けると、世界が一変する。

「あら~ ミミちゃんに久我ちゃん。また来てくれて嬉しいわぁ」

カウンターの中にいた美里さんが満面に笑みを浮かべ出迎えてくれる。

「こちらへどうぞぉ~」

前回と同じ席に座らされる。

「ミミちゃん、今日もお腹空かせているのかしら?」

「ナポリタンの味が忘れられなくて。いいですか?」

このお店に来たのはナポリタンが食べたいせいもある。

「いいわよぉ~ 待っててね。すぐに作って来てあげるから」

美里ママがカウンターに引っ込み、明菜さんがおしぼりを手渡してくれる。

「美里ママはねぇ~ 昔、洋食屋のシェフだったの。でも作ってくれるのはナポリタンだけなんだけどぉ~」

そうなんだ。あの味は納得するけど、ナポリタンだけって……。

明菜さんが水割りを作っている間、お店の中を見渡し紅緒さんを探してしまう。

今日来た目的は、美しい紅緒さん目当てでもある。
でも、姿が見えない。

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