その恋、取扱い注意！
＊＊＊＊＊＊

『バーイ。ミミ、また明日～』

同じクラスの仲の良い台湾人の友人クァン・イーリンと学校の門を出て挨拶をして、ひとり歩きだした。

その時――

「きゃーっ！　どいて～」

女の子の声が背後から聞こえて、「えっ？」と思った時にはすでに遅く……私は何が何だかわからないまま、身体に何かがぶつかった痛みを受けて、地面に倒れていた。

「いったぁ……」

どこが痛いって……体中が痛い。特に左手首と腰……ひざっこぞうが。

「ごめんなさい！　大丈夫ですかっ！？」

日本語だった。
クラクラする頭を、その声の方向へ向けた。自転車と一緒に倒れている女の子が起き上がろうとしているところだった。

私は背後から自転車に突っ込まれたことを今更ながら認識した。

近くにいる男性が女の子を助け起こそうとしている。

痛みに顔を歪める私にも、大きな手が差し出された。

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