その恋、取扱い注意!
「ミミちゃん、誰かお探しぃ~?」

明菜さんが水割りを私の目の前に置きながら聞いてくる。

「え……っと、いいえ……」

「そうなのぉ? 誰か気に入った子がいたら、言ってね」

「は、はぁ……」

紅緒さんは今日来ていないのか、聞けばよかった。

「紅緒さん、今日はいらしていないんですか?」

そこへ久我さんが紅緒さんの名前を出したことに驚いて、隣を見る。

「そうなの~ 紅緒ちゃん、海外に行ってるのよぉ~」

「海外旅行ですかぁ~」

久我さん、明菜さんの話し方に似てきてる……紅緒さん、海外旅行中なんだ……。

「私たち、旅行会社に勤めているんですぅ」

久我さんの話し方は治らない。

「あらぁ~ そうなのぉ~ じゃあ、安く行けるかしら?」

明菜さんは身体の前で両手を合わせにっこり笑う。

「団体さんで企画しませんか~? 営業に言いますよ~」

久我さんが何気にセールスしていると、美里ママがナポリタンを持ってきた。

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