その恋、取扱い注意!
自宅最寄り駅近くのファミレスの駐車場に到着した。

「いらっしゃいませ」

夕食時間帯を少し外し、雨も降っているせいでファミレスは空いている。

湊はハンバーグセットで私はオムライスに決める。

オーダーを済ませると、湊はポケットからスマホを取り出した。

メールが来たみたい。
湊はスマホをいじり出した。
少し悩んでいるみたいに手が何度も止まっている。
きっと仕事のメールなのだろうと思う。
株のトレーダーなんて、私にはわからない世界だけど。

ぼんやり見ていると、湊がスマホをポケットにしまった。

「悪い」

「仕事、忙しいの?」

「まあね。新規の顧客の注文が細かくてね」

「ふうん……」

「お前は暇そうだな。仕事中に大きなあくびしてた」

湊は口の端をあげて思い出したように笑う。

「えっ!? いつ? 私、あくびしてた? って、なんで見てるのよっ!」

確かに眠くてあくびをしたかもしれない。
見ていたなんてほんと、人が悪い。

「退屈している猫みたいだったぞ」

「もうっ」

からかわれているうちに、料理が運ばれてきた。

食後のデザートまでご馳走になって、ファミレスを出た。

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