その恋、取扱い注意!
「ハネムーンのパックを探しているんだ」

そこへ自動ドアが開き、傘をたたみビニール袋に入れながら女性が入って来た。

「いらっしゃいませ」

入って来た若い女性はまっすぐこちらへやってくる。

「ごめんなさい。待った?」

高野先輩に話しかける。という事はこの人が結婚相手なんだ。

高野先輩は彼女に笑いかける。

もう別れようと高野先輩から電話で言われた時は、悲しくて仕方なかった。でもこうして会ってみると何の感情もわかない。

もう8年近くたっているもんね。

9月に挙式が決まっているカップルは、オーストラリアを予定しているらしい。
ふたりは1時間ほどいろいろ考え、結局数種類のパンフレットを持って帰って行った。

ふたりが帰ると、どっど疲れが出てきた。
やっぱり緊張しながら話していたんだなと思う。


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