その恋、取扱い注意!
バッグを持ち、企画営業課に行くと、重い紙袋を両手に持たされる。
松下さんは自分のバッグとファイル型のプラスチックケースだけ。
内心ムッとしたものの、相手は社長令嬢で先輩。
半分持ってくださいなんて言えるわけもなく、そのまま黙って付いて行く。
電車に乗り、新宿まで行き会場を目指す。
今日はどんよりとした曇り。雨じゃなくてほんと良かった。
確かに松下さんは仕事ができる人だった。海外旅行経験も豊富らしく、今回のイタリアとギリシャを巡るツアーを、自信に満ち溢れた態度で説明していた。
私には松下さんの仕事は出来ないな……。説明なんてとても無理。
海外旅行は大学の卒業旅行に、友人たちと行った韓国だけだし。
無事に説明会は終わり、私たちは新宿の駅に向かって歩いていた。帰りは紙袋が一つになり、ラクだ。
すらっと背が高い松下さんの後ろを歩いていると、彼女がいきなり立ち止まった。
「湊!」
松下さんのいつもより1オクターブ高い声。
え? みなと?
松下さんの知り合いにも「みなと」と言う人がいるんだと考えていると……
「さつき、久しぶり」
私の耳に聞き覚えのある声が。
松下さんは自分のバッグとファイル型のプラスチックケースだけ。
内心ムッとしたものの、相手は社長令嬢で先輩。
半分持ってくださいなんて言えるわけもなく、そのまま黙って付いて行く。
電車に乗り、新宿まで行き会場を目指す。
今日はどんよりとした曇り。雨じゃなくてほんと良かった。
確かに松下さんは仕事ができる人だった。海外旅行経験も豊富らしく、今回のイタリアとギリシャを巡るツアーを、自信に満ち溢れた態度で説明していた。
私には松下さんの仕事は出来ないな……。説明なんてとても無理。
海外旅行は大学の卒業旅行に、友人たちと行った韓国だけだし。
無事に説明会は終わり、私たちは新宿の駅に向かって歩いていた。帰りは紙袋が一つになり、ラクだ。
すらっと背が高い松下さんの後ろを歩いていると、彼女がいきなり立ち止まった。
「湊!」
松下さんのいつもより1オクターブ高い声。
え? みなと?
松下さんの知り合いにも「みなと」と言う人がいるんだと考えていると……
「さつき、久しぶり」
私の耳に聞き覚えのある声が。