その恋、取扱い注意!
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駅に着き、階段を下りて改札口に向かっていると、昨日と同じように肩を叩かれた。
振り向かなくても誰だかわかった。

「美海ちゃん」

高野先輩だった。
立ち止まり振り返ると、Tシャツとチノパンのラフな姿。

「高野先輩……」

「また会えたね」

「高野先輩も、この駅なんですか?」

高校の頃は、隣の駅から通学していたのを覚えている。

「そうなんだ。引っ越ししてね」

それならよく会ってしまうのも頷けるけど……。

「あ、今日来てくれたみたいで。ハネムーンの予約でしたか?」

「オーストラリアじゃなく、ハワイにしようかと思って相談に行ったんだ。パンフレットだけもらって帰ったよ。で、これから相談に乗ってくれるかな」

え……。ハワイに行ったことないし、コンピュータがないとなにもアクションを起こせないし、しかも時間外。無理です。



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