その恋、取扱い注意!
話題が変わったと、喜んでいると――。

「ミミちゃん、彼がエスカレートしてくるようだったら、また相談しなさいね」

美里ママが私の両手を大きな手で包み込み、真剣な顔で言った。

「美里ママ。ありがとうございます」

「さあさ、もっと飲まなきゃ~」

その後は、底抜けに明るい美里ママと明菜さんの楽しい話術に、始終笑った。
とっても楽しいのに、私の視線はいつの間にか紅緒さんを追っている。

なんでだろう……紅緒さんが気になって仕方ない。
私、もしかしたら男の人より女の人が好きなの?
まさか! 酔ってるんだ。

目の端で誰かが動くのがわかり、ふと見ると紅緒さんと男性だった。
男性の帰り見送った紅緒さんは、奥の部屋に入って行く。

前回も来てくれたから、今回も接客が終わったら来てくれるのではないかと期待していた。そんな気持ちがしぼんでいく。

私、やっぱり……紅緒さんを……。

「ミミちゃん? どうしたの? 酔っぱらっちゃった?」

美里ママが大きな顔で覗き込んでくる。

「え? いいえっ! でも、もうそろそろ帰らなきゃ。明日も仕事だし」

「そうねぇ。もういい時間だわね」

美里ママは壁に掛けられた時計を見て言った。

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