その恋、取扱い注意!
「ねえ、ねえ。どうして今日は車じゃないの?」

「点検に出してるんだよ」

「そうなんだぁ。同じ電車だなんてすっごい偶然だね。しかも同じ車両だなんて」

「そうだな――」

突然、立ち止まった湊の腕に私の鼻がぶつかる。

「いたっ! 急に立ち止まらないでよっ」

したたかにぶつけた鼻を擦りながら湊を見る。
湊はじっと数メートル先を見ていたけれど、すぐに私に向き直った。

「ミミ、アイス買ってやるよ。コンビニに行こうぜ」

「ほんと? なにがいいかな~」

少し先にあるコンビニに寄り、湊にクランチチョコアイスを買ってもらった。

コンビニを出て、湊はチョコミントの袋を開けてゴミ箱に捨てると、食べ始める。
私もアイスを一口かじって、顔を緩ませる。

「昔からお前って、しょっぱなからかじるよな」

「だってその方が食べた―って感じなんだもん」

食べながら歩き出すと、湊は私のアイスを持つ手を引っ張る。

「ちょっとちょうだい」

まだ一口しか食べていない私のアイスを、湊は大きな口を開けてかぶりつく。

ふと、湊からふんわり漂うせっけんの香りに、聞かずにはいられなくなる。

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