その恋、取扱い注意!
「もしもし?」

『やっと出てくれたんだね』

高野先輩だった。

何度もかけてきた人が、高野先輩?

背筋が凍りそうなくらいぞっとして、鳥肌がたった。

『美海ちゃん? 聞いてる? 遅かったんだね?』

「どうしてこの番号を知っているんですか?」

『そんなのすぐに調べられるよ』

「どういうつもりなんですか!?」

『どういうつもりって、美海ちゃんと会いたいからさ』

吐きそうなほどの嫌悪感。

「私は会いたくありません。もうかけてこないでっ!」

電話を切って、電源を落とした。
その手が小刻みに震えている。
心臓も痛いくらいバクバクと暴れて、深呼吸を繰り返した。

高野先輩はおかしいよ。やっぱりストーカーなの?
湊に相談したい。

窓辺に近寄りカーテンを開けて、湊の部屋を見る。

「電気点いてない……もう寝てるんだね……」

カーテンを持つ手はまだ震えていた。


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