黒猫*友愛エトセトラ



……とは言え。


「みんな、しろいほうがいいっていうんだよ?くろいのは“ふきつ”なんだって。」

「……ふぅん。」

「でもさ、ぜったいにくろいほうがかわいいよね?」

「うん……?」

「なんで、みんなにはわからないんだろうねぇ」



毎日、毎日毎日……。

歩の口から出るのは、“猫”の話。

俺を自分と同じ“黒猫好き”だと勝手に思い込んだらしく。

それはそれは、熱く語ってくれちゃって……


はっきり言って、俺は猫より犬が好きだったし。

白か黒か聞かれて、なんとなく“黒”って答えただけにすぎないし。

正直、黒猫なんてどうでもよかった。


なのに……


「ダイスケくんとおともだちになれてよかった」


完全なカンチガイにも関わらず、

しかも、たったそれだけの理由で、

俺はアイツの“一番のお友達”になってしまった。



「3ちょうめのキムラさんちにね、くろねこがいるんだって。こんどいっしょにみにいこうね?」

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